Quantcast
Channel: 登山者はこうして遭難する~山岳遭難事例から学ぶ安全対策~
Viewing all 30 articles
Browse latest View live

片山右京さんの富士山遭難

$
0
0
2009年12月18日、冬の富士山登山を行っていた、元F1レーサーの片山右京さんら3人が遭難しました。ニュースや新聞でも大々的に取り上げられたので、事故の経過については説明しませんが・・・。

この遭難について、野口健さんが自身のブログで言及していますが、私の考えも基本的に同じです。

冬富士は夏と全く様相が違い、非常に気象条件の厳しい山になります。私も経験がありますが、体が浮き上がるほどの烈風、極低温。足元もカリカリのアイスバーン状態になり、技術的には(ヒマラヤ登山を目指す人にとっては)それほど高度ではありませんが、僅かなミスが死に直結する山に一変します。

しかし片山さんは7大陸最高峰登頂を目指し、南極のビンソンマッシフ峰への遠征を控えていたわけで、そのトレーニングとして冬の富士山に登るのは、理に適った行動です。もし南極のブリサード対策に、寒波が襲来中で天候が荒れることを承知で敢えて行ったのなら、それは誰にも非はない遭難、ということです。

強い寒波が来て天候が荒れることをわかっていて登山を行ったか・・・そこがはっきりしていないので、最終的な判断はできないのですが・・・。

寝ているときにテントごと吹き飛ばされたわけですから、遭難の原因は技術が未熟だったわけでも、装備がしっかりしていなかったわけでもありません。登山届けを出していなかった点はいただけませんが、よくある無謀登山とは違います。

片山さんが仲間をおいて下山した事についていろいろ言う人がいるようですが、あの状況では当然の行動、ベストの選択だったと思います。


遭難対策訓練をしよう

$
0
0
100%安全な登山などあり得ません。100%安全なドライブ、絶対に危険のない海水浴・・・そういったものがあり得ないのと同じことです。

とはいえ、登山はドライブや海水浴よりは危ないのも確か。ですから、もしものときのために訓練をしておくことは、非常に大切です。山岳会などでは当然遭難訓練を実施しているでしょうが、極限状況の一端を「実際に生身で体験」しておくことは、非常に効果があります。


カモシカ山行

カモシカ山行とは、夜通し眠らずに歩く訓練です。遭難の現場では、夜間に行動をせざるを得ない状況というのも考えられます。そのような場合に備えての訓練です。

ルートのはっきりした、万一けが人が出た場合でもすぐに下山できるような低山で実施してみましょう。荷物は行動食+非常食、それにビバーク装備ぐらいの軽装で。

私が所属していた会では、毎年表丹沢で行っていました。夜に登山口に集合、無理をしないゆっくりペースで、兎に角朝まで歩ききります。


ボッカ訓練

読んで字のごとく、重い荷物を担いで歩く訓練。遭難発生時には、負傷者の荷物は他のメンバーで分担して担ぎます。私の会では、秋口に丹沢で実施。ノルマはアラフォーが(笑)30キロ以上。若者は40キロ以上。塔の岳の通称「バカ尾根」を、鍋装備を背負って(笑)登高。ザックの重さが足りない分は、その辺に転がっている石を詰める。塔の岳頂上で盛大に鍋パーティーを催し下山、という日程です。


ビバーク訓練

これも読んで字のごとく、ビバークの練習です。私は夏場に、日帰りできる沢をあえてビバークする山行をしています。ツエルト1枚のビバークを体験しておくことは、万一のビバークの際に心の余裕を生んでくれます。


遭難対処訓練

大学時代はかなり綿密に計画を立てて行っていましたが、社会人になってからは・・・(反省)。

4年生が新人役を担当。シナリオを作り、行動中に熱射病で倒れてみたり、段差でわざとコケて捻挫したふりをしたり、テント場で鍋をひっくり返して(もちろん沸騰しないうちに・・・笑)やけどしてみたり。そしてリーダーの対処を見る、という訓練です。


といった具合に遭難訓練を行いますが、重要なのは、安全を確保した上で行うことです。遭難訓練で実際に遭難してしまったら、シャレになりませんので・・・。

遭難回避の3大原則

$
0
0
3gensoku.gif

1.自分(たち)の能力を過小評価する

 ・・・衰え行く体力というものは、かななか自覚できないものです。常に自分たちの実力を過小評価して、計画を立てるようにしましょう。

コースの技術的な難易度、歩行時間の長さ、背負える装備の量・・・。自分の限界は、思ったよりも下にあります。


2.危険を予測する

 ・・・登山はもちろん楽しむためにするものですが、計画段階はもちろん、行動中も常に頭の片隅で『ここにはどんな危険がありうるか』を予測しましょう。


3.金で買える安全は買う

 ・・・濡れても体温を奪わず動きやすい登山用ウェア、防水透湿性雨具、LEDのヘッドランプetcの登山用装備。夜行日帰りより1泊2日。鈍行より特急。

気合と体力でしのげるのは、若いうちだけ。もう若くない我々は、金で買える安全なら積極的に買いましょう(笑)。


腕を切り落として生き延びたロッククライマー

$
0
0
2003年にあった実話です。

アメリカのあるクライマーの、遭難からの生還話なのですが、概要はこんな感じです。

1)Tシャツと短パンで狭い峡谷を登っている最中に、右手のひじから先が数百キロの岩の下敷きに
2)そのまま5日間救出を待つ。3日目には持参した水もなくなる。
3)5日目についに決断し、ポケットナイフで右手を切断、その後、20数メートル絶壁を降りて10キロ強歩いたところで救出隊に見つけられる。

私は勝手に、生き延びるための不屈の意志を持った方なのだろうと想像していたのですが・・・実際は違うようです。

なんと彼は、『あまりに体が頑強なので、心が萎えてしまっても死なない。よって生き延びた』ということだったのだとか・・・。

詳しくはこちらを読んでいただきたいのですが、自分の切り落とした腕を『記念撮影』したり、あまりのタフネスぶりに、不謹慎ながらも大笑いしてしまいました。

いや~、世の中にはこんな人もいるんですね~。

奇跡の生還

$
0
0
山野井泰史さん・妙子さん夫婦。私など足元にも及ばない、世界でもトップレベルのクライマーです。

この山野井さん夫婦が2002年にヒマラヤのギャチュンカン(7,985m)北西壁を登攀し、下山時に事故に遭っています。

(詳しい経緯はこちらをご覧ください。)

10月10日に、雪崩に打たれ遭難。二人とも視力を失いながら、手探りで風雪の大岩壁を下降。そんな絶望的な状況でもあきらめることなく行動し、10月13日にベースキャンプまで自力で下りきりました。

ベースキャンプでは2人が遭難したと判断し、ポーター達は下山。ちょうどベース撤収のために再び戻ってきた時に、二人がベースにたどり着いたそうですから、まさに奇跡的な生還です。

このときの事故で、夫婦あわせて手足の指を28本失ったという、壮絶な脱出行。沢木耕太郎さんがドキュメントを書いていますから、山を登る人はぜひ読んでほしいですね。「あきらめない心」がいかに大切か、よくわかります。



GPSは登山に役に立つ?

$
0
0
GPSを携行する登山者も増えてきました。山で使っている方を、時々見かけます。

GPSは衛星の電波で現在位置を知ることができる装置ですが、読図ができない人でも現在地確認が簡単にできるとあって、普及し始めているようです。

私もGPS、持っていますが、登山で本当に役に立つのかというと・・・

やはり『コンパス+2万5千分の1地形図』が、山での現在地確認の基本だと思います。

「あんたは古い山屋だから」、と言われてしまえば、まあその通りなのですが(笑)、 日本山岳協会遭難対策委員会が指摘しているように、GPSは万能ではありません。

実際、GPSに頼っていたために道迷い遭難してしまった事例が報告されています。

私自身は、GPSはあくまでも読図の補助ツールとして利用するのが正解と思っています。

このGPSを歩行地図代わりにしている登山者もたまに見かけますが、平気で50メートルぐらい誤差が出てしまうこともあるし、私自身はこれに頼って歩く気がしません。遊びでログをとったりはしていますが、やはりメインは2万5千分の1地形図です。

せっかく何万円もするツールを買ったのですから、十分に使い倒したいと思うのは人情ですが、「壊れる」という可能性が多分にあるデジタル機器、アウトドアでこれに頼るのはいかがなものでしょうか。

もちろん、登山でGPSは使えない、などと言うつもりはありません。濃霧にまかれて現在地がわからなくなってしまった場合など、GPSは大いに役立ってくれると思います。

「展望のない樹林帯で道迷い遭難してしまい救助を要請したい」などという場合にも、救助ヘリに現在地を知らせるのに有用でしょう。パーティーに1台、非常用としてGPSあれば安心なのは間違いありません。そのような意味で、私も登山にGPSを携行しています。

しかし目的はあくまで「補助」で、それ以上のものではない。過信は禁物。私見ですが、そのような意識は持って、GPSを使ったほうがいいと思います。

GPSフィールド活用ガイド

*最近はGPS内蔵のデジカメも発売されています。カメラとGPS、2つ持つ必要がないのでよさそうですね。

登山の大原則

$
0
0
山では、「自分の身は自分で守る」のが基本、大原則です

もちろんリーダーがパーティーの行動についての全責任を負うのですが、不可抗力の事故などで、リーダーが行動不能になってしまう場合もありえます。そういうとき、自分で自分の身を守れるだけの知識や装備、行動力がなければ、死ぬのを待つしかありません。

自分の身は自分で守る、言い換えれば、登山の危機管理をしようということです。

社長が急病で入院したら、即倒産してしまう・・・そんな危機管理のキの字もない企業はないでしょう。登山でも全く同じです!

社会で培った危機管理能力は、若者にはない武器になりえます。

あなたが山へ入る場合、単独行・パーティー登山・ツアー登山を問わず、いざというときのシュミレーションをして、山へ入ってください。

hotaka.jpg (初夏の穂高連峰)

救助隊から見た遭難の現実

$
0
0
山と渓谷社の「県警山岳山岳警備・救助隊」シリーズ。少し古い本になってしまいましたが、登山を愛好する方にはぜひ一読してほしい本です。

現役の警察官(救助隊員)の方々が遭難救助の体験談を語るというものですが、生々しい遭難現場の現実やその裏側、救助隊員の方々の葛藤など、胸に迫るものがあります。

遭難回避の技術を解説したハウツー本ではありませんが、山岳遭難を救助する側から見た秀作です。『山で決して遭難事故を起こしてはならない』という気持ちを新たにさせられる本です。

岐阜県警山岳警備隊編:山靴を履いたお巡りさん―北アルプス飛騨側を護る山男たちの手記

富山県警察山岳警備隊編:ピッケルを持ったお巡りさん―登頂なきアルピニストたちの二十年

長野県警察山岳遭難救助隊編: ザイルをかついだお巡りさん―アルプスに賭ける警察官 喜びと悲しみのドラマ


埼玉県の防災ヘリ再開のめど立たず 隊員ら精神的ショックで

$
0
0
埼玉県秩父市の山中で7月25日に県防災ヘリコプター「あらかわ1」が墜落、県防災航空隊員ら5人が死亡した事故で、同僚隊員らが精神的なショックを受け、現在定期検査中のもう1機の防災ヘリ「あらかわ2」の運航再開のめどが立っていないことが10日、わかった。

 県が同日、さいたま市で開いた県内36消防本部の消防長らを集めた会議で明らかにされた。

 県によると、今月6日に総務省消防庁から派遣された医師と臨床心理士が、県防災航空隊員と防災ヘリの運航を委託されている本田航空の操縦士の約25人を対象にカウンセリングを実施。その結果、数人が重症と診断された。

 県ではこれまで防災ヘリ2機を所有していたが、墜落事故で「あらかわ1」を失い、現在は「あらかわ2」だけとなっている。だが、隊員らの精神的なショックが大きく、「あらかわ2」の検査が終了する16日以降の運航再開時期については見通しが立っていないという。

 この日の会議では、近く「山岳救助活動ガイドライン作成委員会」(仮称)を設置するほか、殉職者合同葬を9月2日にさいたま市内で開催することなども明らかにされた。


(2010年8月10日付 産経新聞より引用)


昨年の穂高での救助ヘリ墜落に続き、埼玉でも痛ましい二重遭難事故が起こってしまいました。

ニュースによれば、隊員の方々もショックを受けていらっしゃるとのこと。5名もの仲間の命を失ってしまったのですから、当然です。一日も早く心の傷が癒されることを祈るばかりです。

救助隊員の方々は見ず知らずの登山者のために、文字通り命を賭けて救助活動に当たられています。ご遺族の方は、『どうして趣味で遊びに来た登山者のために・・・・』という思いを少なからず持たれているはずです。

私たち登山を愛するものはすべからくその事実を胸に刻み、遭難事故を起こさないよう万全の備えを怠らないようにしましょう。

山での『強さ』

$
0
0
登山の体力について、よく『彼は強いよ』などと表現しますが、下界での体力の強さと、山での体力の強さは必ずしも一致しません。たいていの場合は一致するのですが、なぜか例外もけっこうあるのです。

私の大学時代の話ですが、山でもの凄く強い先輩がいました。どんなにハードな行程でも、とにかくバテない。夏合宿などで40キロのキスリングを担いでいても、一人だけ涼しい顔をして飄々としているような人でした。

でもこの先輩、普段のトレーニングではからきしなのです。マラソンをしても、いつもビリ。『何であの人に山で負けるのだ??』と、私などいつも思っていたものです。

ところがこれと正反対の例がありまして、私がガイド活動をしていたころの話です。夏の遠足登山で北アルプス縦走する、とある中学校があるのですが、私もガイドとして生徒達を引率をしていました。

その中で、バテにバテて自力下山できなくなってしまった子がいたのですが、聞けばバスケットボール部のエースで、特に体力のあるはずの子でした。

結局横尾まで担いで下ろし、そこから車で上高地まで下山させたのですが、上高地に付く頃にはピンピン。プライドが傷ついたのでしょう、他の生徒を迎えたときは泣いていました。

他にも、下界での『スポーツの体力』と『登山の体力』が必ずしも結びつかない例はいくつも見ました。

どうしてなのかはわかりませんが、運動生理学的に筋肉の質とか、体が高度に順応しやすい体質かどうかなど、原因はいくつかあるのだと思います。

不思議なものです・・・。

あめ玉7個と水で2週間 30歳生還 埼玉・両神山

$
0
0
27日午後3時5分ごろ、埼玉県小鹿野町の両神山(標高1723メートル)の七滝沢で、東京都大田区の会社員、多田純一さん(30)が座り込んでいるのを、捜索していた県警山岳救助隊が発見、同県秩父市の病院に搬送した。多田さんは14日朝「これから登ります」と家族にメールをしたのを最後に連絡がとれず、家族が15日未明に捜索願を出していた。

 同救助隊によると、多田さんは左足を骨折しているが、命に別条はない。持っていたあめ玉7個と沢の水を飲んでしのいでいたという。発見時には防寒用に薄手のジャンパーを着ていた。衰弱していたが隊員に「手を握ってほしい」と求め、隊員が応じると涙を流して喜んでいたという。

 多田さんは13日夜に家族に「秩父の百名山に登る」と言い残して自宅を出発。1人で入山したらしい。登山の経験は少なかったという。


(2010年8月28日 毎日新聞)


両神山の七滝沢コースは、今では地図で、実線でなく破線で書かれているコースです。鎖場が連続し難易度が高く、しかも入山者が非常に少ないので、「登山の経験が少ない」人が歩くコースではないですね。

事故の原因が滑落によるものか、道迷いの末の遭難なのか・・・この記事ではわかりかねますが、救助されたのは不幸中の幸い、何よりです。死亡遭難事故になっていた可能性も大きかったと思いますから。

何とか生還できた理由を考えてみると、

1.骨折して歩けなかったため、逆に体力が温存された

2.天候に恵まれた(雨の日があれば、どうなっていたか・・・)

3.沢の水を飲める場所だった

4.入山前にメールを送り、結果として初動体制が早まった

の4点が大きいと思います。このうちの1点でも欠けていれば、取り返しの付かない事態になっていた可能性が高かったでしょう。

ただ、『沢の水と2日で1個の飴玉』だけで2週間持ったのですから、このこと自体は我々登山者に貴重なデータを与えてくれる事例だと思います。『2~3日ぐらい何も食べなくても、水さえあれば死にはしない』ということですね。

バリエーションルートの厳しい登山を経験した人なら、『そんなの当たり前だろ』といった感じでしょうが、一般登山者の方には案外そうではありません。

食料が尽きそうだから悪天の中無理な下山を敢行し、結果として助からなかった・・・という事例がありますので。

静加重・静移動と三点支持

$
0
0
登山時の歩き方の、基本中の基本。それが静加重・静移動と三点支持です。私も大学ワンゲルの新人時代、先輩に口を酸っぱくして叩き込まれました。

登山を始めて20年ほど。私は山で事故を起こしたことは、幸いにも一度もありませんが、その一番の理由がこの歩行技術だと思っています。

この静加重・静移動と三点支持が出来ていれば、山での滑落・転落事故もぐっと減ると思うのですが・・・それぐらい大切な技術です。

まず静加重・静移動ですが、街で普通に歩行しているときは、前足に着地と同時に重心もかかっています。しかしそれでは、もし前足が着地したときに異物があったり滑ったりすると、即転倒してしまいます。

山で歩くときは、1.まず前足を地面に体重をかけずに「置き」安全を確認、2.ひざの力を出来るだけ使わず重心をじわっと前に移動(後ろ足で地面を蹴らない)、その反動で前へ進む、これの繰り返しが静加重・静移動の歩き方です。

文字にすると難しそうですが、一度体が覚えてしまえば自然に歩けるようになります。

前足を「置く」時に息を吸い、重心をかけるときに吐く、(荷物が軽いときや低山では、もっと遅くてもいいと思います、マラソンと同じく規則正しい呼吸を繰り返すということです)この呼吸法を合わせると、非常にバテにくくもなりますし、ぜひ(必ず)マスターしてください。

三点支持は、岩場や鎖場などで重要な技術です。体には両手・両足の4つの支点がありますが、動かすのは常に一点だけ、残りの三点で安全を確保します。こうして岩場や鎖場を登れば、足や手を滑らせても滑落せずにすみます。

山で出会う方で、この「静加重・静移動と三点支持が出来ているな~」と思う人は、かなり少ないです。登山の基本中の基本、絶対に身に着けるべき技術ですので、街でも階段を意識して静加重・静移動で上ってみたり三点支持でその辺の木に上ってみたりして、ぜひ「考えなくても体が動く」ように練習してみてください。

ひざ用のスポーツサポーターは・・・いいです!

$
0
0
登山中、特に長い下りで膝がカクカクと笑ってしまったりしませんか?登山をしたあとは数日、町でも膝が痛んでちゃんと歩けないとか。

私もご多分に漏れず膝が笑ってしまう派だったのですが、ひざ用のサポーターを使うようになってからはびっくりするぐらい楽になりました。

そもそも私がバリエーションルートのハードな山から身を引いたのは、バイクの事故でひざを悪くしてしまったためなのですが、事故後は特に長い下りがてきめんひざに来るようになってしまいました。

そこで医者の山仲間に「とにかく黙って使ってみろ!」と無理やり薦められ、半信半疑でひざ用のスポーツサポーターを使い始めたのですが、これが予想に大きく反して、実に具合がいいのです。

特に登山用のヒザサポーターではありませんが(スポーツ全般対応です)、ひざをしっかりとホールドしてくれるので、特に下りで抜群の効果があります。ちょっとバランスを崩しても楽に踏ん張って体勢を立て直せるので、安心感がたまりません(笑)。

登山で使うなら、前後左右4方向のグラつきに対応するハードタイプで。ちょっとゴツイ感じで、初めて山へ持って行ったときは大げさに感じたものですが、装着してみると軽くてフィット感もよく気になりません。

体育会系の大学ワンゲルで育った私には、サポーターは『弱さの象徴』という偏見があったのですが(すみません・・・)、もう若くはない今では、登山に欠かせない相棒になっています。

ベルクロでひざにとめるだけなので装着も簡単ですし、夏場でも思ったよりむれることもなく、特に体力・脚力に自信のなくなった方にはぜひお勧めしたいアイテムです。

管理人お勧め・ひざ用サポーター

遭難シュミレーション机上訓練

$
0
0
heri.jpg備えあれば憂いナシ。登山中に事故がおきた場合どう対処したらいいか・・・。山でよく起こる事故事例を、一緒にシュミレーションしてみましょう。

もちろん、ここで上げている「回答例」はあくまでも例です。メンバーの技術・体力、気象条件やルート状況、装備などなどの条件によって答えは当然変わってくるはずなので、ひとつの例としてご覧ください。

また、ご自身がいつもの山仲間とこのコースを山行中、同じ事故が起こってしまったら・・・ということも、あわせて考えて頂けたらと思います。

*管理人は関東なので、アルプスや八ヶ岳など中部山岳でのシュミレーションが多くなってしまいますが、そこはご勘弁を・・・。
(写真は長野県警察航空隊活動記録より引用させていただきました)。

漁船から転落、救助まで3時間立ち泳ぎ

$
0
0
(12月)12日午前11時頃、漁船「天洋丸」(4・9トン)が、海岸で座礁しているのを近くにいた漁船が発見し、海上保安部に通報した。

 船長(35)の姿が見あたらなかったため、同海保などが周辺を捜索し、約2時間後、同海岸の南西約8キロ沖で漂流しているところを別の漁船が見つけた。病院に運ばれ、低体温症と診断されたが、命に別条はないという。

 同海保によると、午前10時頃に漁網に付いたロープが足に絡み、海に転落。かっぱと長靴を脱ぎ、長袖シャツとズボン姿で約3時間、立ち泳ぎを続けていたという。船は自動操舵(そうだ)のため、同町の海岸に向かって進み、座礁した。

 「約1キロ先の島まで泳ごうとしたが、海流が逆だったため、体力を温存しようと立ち泳ぎをして救助を待った」と話しているという。

(2010年12月12日付 読売新聞より引用・一部改変)



山ではなく海での遭難ですが、海でも山でも遭難時の原則は同じですね。落ち着いた行動と「体力を温存」したのが、助かった最大の原因でしょう。

船から転落すれば、普通はパニックになり船を追いかけるなり海流に逆らって岸へ向かい泳いでしまうなどするものです。が、かっぱと長靴を脱いで3時間立ち泳ぎ・・・さすがは海の男、素晴らしい判断です。

特に1キロ先に島が見えていたのに(海流を見極めて)そちらへ泳ぐことをしなかった、というのは、「こんなあっさりと書かないでください、読売新聞さん!」と声を大にして言いたいぐらいです(笑)。

例えば山で道迷い遭難し、はるか向こうの山麓方面に林道が見えたとしたら、どうしてもそちらに向かって歩こうとしてしまうでことしょう。あなたも胸に手を当てて想像してみてください。

が、これがやばいんですよねぇ。

船長さんの判断、本当に素晴らしいです。


登山用具と非常用品

$
0
0
震災直後の停電・節電等の混乱の中、山道具が役に立ったという方も、当サイトをご覧の方には多いのではないでしょうか。

関東在住の私も場合も、味付き乾燥米のジフィーズなど山用食料と、プリムスのガスコンロ、そしてローソクが大活躍してくれました。

このような災害時の非常用品の条件は、『火がなくても最低限の水で食べられる』と、『電気がなくても使える』です。そういう点で、やはり登山用具は優れていると改めて思いました。

家族が3日ぐらいは食いつなげる登山用食料を常備し、山行時にそこから持ち出して、後から買い足しておく。そうすれば、いざというときその食料が生命線となることでしょう。

登山装備を平時は非常用持ち出し袋にしておくのも、これまた大切です。

綿のウェアはナゼご法度?

$
0
0

登山で綿のウェアは危険です。

もちろん、登山専用ウェアを着なければ遭難してしまう、という意味ではありません。好天時の山登りなら、綿だろうと裸だろうと(笑)、危険など微塵も感じることなく山行は終わることでしょう。

単独登山

$
0
0

単独登山・・・読んで字のごとく、パーティーを組まず、一人きりで山に登ることです。

人の好み問題もありますが、私自身は学生時代から単独登山は大好き、特に歩き主体の登山であれば圧倒的に一人のほうが私の好みに合っています。今ではもうできませんが、若いころは単独で厳冬期の岩場に挑んだりもしていました。

しかし、単独登山はパーティー登山より危険なのも事実。もし何か事故があった場合、自分一人の力で全てを処理しなければなりません。

遭難の現実と内幕

$
0
0
山で実際に遭難事故を起こして救助された場合、どんなことになるか知っていますか。特に、小さくても新聞沙汰になるような、世間の耳目を集める事故を起こしてしまった場合です。

<山岳遭難>死亡・不明の6割超が60歳以上 警察庁が統計

$
0
0
本日(2012年6月21日)の毎日新聞の記事より、以下を引用します。

(引用開始)
Viewing all 30 articles
Browse latest View live